水冷ぇ~Powerbook/iBookを静かに水で冷して使おう
このpapeは2005年頃書いたものを再構成して載せているものです。
きっかけ
2000年くらいの話、当時はPowerbook2400というファンがないノート型のMacを使っていたのだが、ファンがない=本体に熱を伝えてマシン全体で冷すという事で、パームレストが熱かった。ご存知バード電子製品で冷していたもののそれでは飽き足らず、裸のファンをマウスの横に置いて回したりPCカードのスロットに刺すファンで冷やしたしていたのだった。
また本体の下に保冷剤(アイスノン)をしいた事もあったが、大量のタオルが必要で毎日という訳には行かなかった。
そんな時にbeさんのpageを見て、これはいいぃいいい!と絶叫していた。
現在pageは無くなってしまったが、internet archiveには残っている。
それはPowerBookの下にゴムのホースを敷いて、ホースの中に水を通し循環させるというものだった。
水で冷せば……
- 静かな環境が手に入る
ファンがないPB2400で快適に過していたのだが、PB G4(初代チタン)やiBookは温度が上がると回り出すファンはウルサイし、Intel Macになってからは常に回ってはいるものの高回転ではウルサいと感じてしまう。
ファンがウルサイとテレビやオーディオなどの音量も上がる、しゃべる声も大きくなるという悪循環に陥る((-.-)。
- Macの寿命が伸びるのでは?
熱いと寿命が短くなる、CPUとかLSI内の配線が熱で切れるという事もあるが、なんと言ってもファンの寿命が伸びる事が大きい。
ファンを回さない・回しても回転数を低くするのだからファンの寿命は延びる。ファンの寿命が尽きる=ファンの油切れだが、これは体験したけどめちゃくちゃうるさく非常に不快(ノ_・。)
しかもノートPCのファン交換は非常に手間だそうだ。(油切れにして交換させてしまったのは友人のPCだった(o_ _)oスマン)
用意したもの
beさんのpageを参考にポンプ、タンク、ホースと揃えた。とにかくホースをMacの下に敷き、ポンプで循環させればいい。
僕が買ったときは1029円でした。 |
これは熱帯魚用 5mで260円(あとで10m追加) |
- 試作機:ペットボトル
1号機&3号機:麦茶を入れるようなプラスティックのボトル(1.8l):105円
2号機:プラスティックのパンの保存箱(2.5lくらい):105円
総費用:1548円(2005年当時)
その後10年弱運用しているがトータルで数千円と言ったところ。
ポンプを数回買い変えたり(タンクが空になってしまい@_@焼き付いてしまった)ホースを太いモノに変えた(この細いホースしかなく不満ながらもいちおうの完成を見たが、曲げた部分が折れてしまい水が流れないことや水垢が詰まりやすいため、太めのものをジョイ本で切り売りしていたので変えた)のでそんな金額になりました。
既に気づいているかも知れないが、105円となっているものは全て100円shopで調達^^)
制作
まずは核となる部分、ホースをうねうねさせてアクリルケースの上にテープで固定する。
最初は水の流れを妨げない事と、なるだけホースを密集させて表面積を増やすことしか考えていなかったが、 熱くなる左手部分に密集させるように変更した。(CPU温度の低下としては効果はちょっとはあった記憶が...)
ノート派なので自作なんてしたことないのでちょっとした"一筆書き"をしている気分で楽しんでいた^^)
最初 | → | 現在 |
四隅に見える黒いのはホースと同じくらいの高さに切ったウレタン。ホースにかかる重さを低減しようと思ったのだが、実際には必要なかった。ここだけで1m弱のホースを使っているので、十分本体の重さを支えていると思う、キーを強めに打っても本体が沈み込む感じは全くしない。 |
ホースのin/out。PB G4→iBook→Powerbookと機種が変わる度にこの辺は左右を変えています。 iBook時代は場合右側には各種ポートがあるので左側を出口にした↓。 | ||
ポンプとホースの継手には園芸用の肥料の容器を使用した。 まっすぐ園芸用品売り場に行ったのはbeさんのpageにあったアイデアを頂いたもの。 可哀想に→カッターで切られ下の写真の左から2番目にある部分だけ使用している。 |
左から、ホース→肥料の容器→ポンプ付属の短いパイプ→ポンプ付属の直角に曲ったパイプ (本体は懐かしいチタンのPB G4!) |
合体~^^)力づくで密着させる。 ホースもカッターで切れ目を入れるという“力技” |
タンク部分
ペットボトルの試作機 | → | 現在のもの 実際は各部ガムテープでぐるぐる状態^^) |
現在はタンクの前に簾(スダレ)が掛っています、
いざモノが揃ってみると意外にあっさりと出来た。構想には数年費やしたので試行錯誤を楽しんでいたこともあったんだけど、もう一度同じものを作れと言われたら1時間くらいで出来る気がする。っていうか、積木みたいなもんだしな^^)
ポンプとホース以外の調達の前にはいろいろ考えたし、タンク+ポンプのの置き場所などはかなり以前から考えてはいたのは何だったんだろうって感じ。
設置&完成
一番悩んでだタンクをどこに置くか?という事だけど、 Mac.より低い場所に置けばMacにはこぼれることはないとはいえ、水には変わりない.....机の脚にくくりつけて試作のペットボトルのタンクでしばらく使ってみたが、結局ベランダに出してみた。
物凄い絵↓ですが、室外化してあることは伝わるかと((;・・A
電磁誘導式とはいえ、(特にうまくポンプとホースを密着出来なかった時は空気の)音がするという事と、ベランダだったらタンクをひっくり返したり水を替えたりしてもこぼし放題!って事が大きかった。
どうやってホースを引いたか?というとエアコン用の穴を通してある(^_^)b。BS、CSとホースが往復、っとエアコン用の穴の競争率は高い。
ホースはジョイントして延長。ポンプのACも延長。途中にスイッチ(待機電力カットに使う100円のやつ)。ジョイント部はタンクの2号機“パンを入れるためのプラスティックの箱”の中に落とし込むようになっている。もし水漏れしてもその箱の中に水が溜まることを期待しての事だが、いままで水が漏れた形跡はない。>70円のジョイント部完璧。
PS:当初はベランダとは逆側、トイレのタンクを利用するという案もあったが、タンク内の水温が結構上がることが解り廃棄。カビが発生しそうだ^^)
効果
チタン(OS9)を使っていた頃は、瞬間的な温度が見れるだけで“下がったかな~”“ファンが回らないねぇ~”という数値化できない"感覚"に頼っていたが、ThermographX(ClassicだとThermographというもの)があるではないか!これは男の子にはなかなか魅力的なソフトである^^)→ これはなかなか魅力的なソフトだった。ハードに依存するようで、このアプリ、今使っているMacBook(Early 2009) ではCPU温度しか表示されない(ノ_・。)
その後、Temperature Monitorというモノがあり、使ってみているところ。四季を乗り越えた頃ww効果の確認も兼ねて新たにエントリを立てる予定。
下記は、iBook G4 (14-inch)/G4 CPU:933MH/OS10.3.9時代のデータです。
実家に帰った時にこれで冷さなかった時間帯があったので温度変化を見てみよう。CPU使用率は(当時)seti@homeが動いていたので常に100%^^)
(a)59℃~65℃くらい。
コタツの上に置いてあった。未使用時は熱くなる左側を浮かすようにして置いてあったが、実際使うとなるとそうも行かないので、熱い。
(b)67,8℃
一旦sleepし車に積み込んだ。
通常の温度はPWR/MEM>Batteryであるが、バッテリ駆動中及び充電中は逆になるようだ。
(c)70℃スレスレ
車を運転中。iBookはiTunesが起動中で、MP3プレーヤとして活躍中である(iPod欲しい@_@)
車のシートに沈んでいる状態で、底面はおろか側面も密着に近く、まったく冷えない。冷却に悪いことは解っているのだが、iBookにシートベルトを締めていないと危ない。
2つの赤い丸の部分は、iBookの内蔵ファンが回っていた時間帯。70℃近くで回り始め、65℃くらい?で止めているようだ。普段でも家に置きっぱなしで外出していて、帰宅してこの"ギザギザ"があると“部屋が暑かったんだなあ~”と解る。
(d)帰宅。
sleepさせて車から部屋まで運ぶ。しばらく寒い部屋に放置してあったかな?。
(e)49℃
使用開始。最初のうちはタンクの水も冷えているので、効果絶大である。
(f)54℃
時刻が飛んで画面コピーを取った。実家にいて実際にいろいろとMacを使っている時間帯は153h agoあたり。nowを比べると65℃→49℃と16℃も下がっている。ちなみに、実家はコタツのみの暖房で、ウチはファンヒーターのみなので(a)の時の実家より室温は高い(室温は20°くらい)
室温は(a)<(f)なのに、CPUの温度は(a)>(f)、というのはぐぅ~。
しかしCPU温度54℃でもちょっと熱くて打ち込みとかはツライ感じ。でもこれ以上に冷えると、逆に右手部分が冷たくて手が置けなくなるという努力がアダとなる最低な結果T_T
効果についてその2
こんなんで自作の水冷、というか水冷式で冷し続けて10年弱使っているが、やっぱ室温が大きいねww。夏はどうやっても熱く、ファン搭載モデルは最大速度でファンが回る。
だがこの冷却方法も多少なりとも効いているなと実感する時が2つある。
あれ?なんか今日は熱いなと感じる時、ボールペンとかが挟まっていてホースとMacとの間が浮いていたので密着させると冷える。
もう一つは、やはり熱いな?と思っていると、水が回っていない(タンクの水がない、ホースが外れているetc)ので直すとやはり冷える、と。
そもそも夏より冬の方が効果があるんではないかな?と思っている。
冬、暖房をかけて人間が暖まってきた時にCPU温度はかなり上がる。それを冷たい外気の中に置いた水で冷すのだから効く。冬のホースはめちゃ冷たい。
氷との併用〜水冷を超え、最強の氷冷へ
夏にタンクの水だけを入れ替えたりして氷を入れても、目に見えて、いや手に感じるほどの効果は1,2時間。効いている事は確かだが、やはり逃げてしまう熱の方が多く効率が悪い。スーパーで買物をして大量に氷が余った時や、冷蔵庫の霜取りをした時にタンクを氷詰めにとかもしてみたが、効果は1,2時間な上に冷蔵庫を壊してしまった(ノ_・。)
教訓:冷蔵庫の霜取りは冷蔵庫の出力を落とす事でやりましょう。金づちでマイナス・ドライバーを叩いて氷をそぎ落としてはいけません。
保冷剤で冷す方法は半端無く効く。アイスノン1個で2時間弱は持つので、もし一日3,4時間しかMacを使わない人であればアイスノンを2つ用意しておけば静粛でヒンヤリして過ごせる。
氷冷クーラーの注意点は二つある。一つはnetで見掛けたのだが「中に水滴が入る、または急に湿度が上がり結露して回路が断線=壊れる」という事。自分では体験していないが、十分考えられることだ。
結露の水がもの凄く、「アイスノンじゃなくて氷が溶けてるんじゃね?」というくらいなので常にタオルは2枚用意して巻いている。二重ではない、2枚だ。
もう一つは冷しすぎてHDDが回らなくなる事。冬、タンクの中に雪を入れたりするとそうなる。現在のMacやPCの部品のうち、HDDが温度や気圧に関しては一番敏感。衝撃や寿命もそうだけどHDDが代替され始めているのは当然の流れだ。
メンテ
メンテフリーは最初から考えていないので、定期的に水の取り換えポンプを洗ったりという事は必須。二ヶ月に1回くらいかな。
マメに、水が足りているかどうかはチェックしている、つもりだが、タンクの入り口でホースが外れていた(なんてったってガムテだし^-^)ために水がなくなりポンプを焼付けてしまった事も何度かあった。
一番、メンテが必要なのはタンクとポンプの継手の部分。塩素や発生したノロが詰まってしまう。プラスティック自体が変質してしまって水の流れが悪くなってしまうので、また別の容器を加工、という感じだ。<使い捨て部品を使用。
その他ACが抜けたりゴミが詰まってたりとトラブルの理由は山ほどあるので、こまめに水が回っているかどうか確認するようにはしている。
今後
これでも、熱い>左手(トラックパッドの左辺り)。夏にはどうしようもなく、氷を入れてみたりしても気休め程度にしかならなかった(氷をタンクに入れて水、という事はかなり効率が悪い)。
ってことで、タンクを冷蔵庫に入れ、冷却水として循環している水の温度を常に下げておこうと思ったのだが、ACコード1本(タンク内のポンプ用)と、冷却水往復の2本のホース分の隙間≒穴を冷蔵庫に開けるのか?という所で断念した。
庫内にコンセントがある冷蔵庫などある訳も無いし^^) 実はここまでして冷す必要があったのは、setiを動かしていたからだ。3.11の震災以来全く動かさなくなったのでモチベーションは低いし、CPU稼働率が100%になる事がないので効果の確認も厳密にはしにくい・・・・